fgo-game-data/ScriptActionEncrypt/03/0300100761.txt

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2021-08-01 10:03:16 +00:00
03-00-10-07-6-1
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[charaSet E 1098231510 1 マシュ]
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[scene 10900]
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ベリル・ガットは魔術師ではあったが、[r]本業は殺しであり、生き甲斐も殺しだった。
[k]
身につけた黒魔術は母から教わったものであり、[r]その母は、魔術世界における“廃棄物”[line 3]
[k]
『魔女』と呼ばれる生き物だった。
[k]
魔術協会において、『魔女』というカテゴリーは[r]“女の魔術師”という意味ではない。
[k]
『魔女』とは人間と違う生き物。
[k]
魔術協会における一部門……[r]呪い・薬物を扱う『[#植物科:ユ ミ ナ]』の創立者にして、
[k]
第一魔法の成立に関わった、[r]超自然的な存在である。
[k]
[messageOff]
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[scene 10910]
[wt 1.0]
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[wait fade]
だが、『魔女』はもう魔術協会に在籍していない。
[k]
文明の発展と共に、彼女たちはひとり、またひとりと、[r]その姿と在り方を変えていった。
[k]
ベリル・ガットの母も、そのうちのひとりだった。
[k]
『魔女』たちの転身のカタチは様々だ。
[k]
大地に還ったもの、過去に還ったもの、[r]第一に加わったもの。
[k]
これらの転身は魔術師たちにとって奇跡の業であり、[r]畏敬を以て語られる。
[k]
一方。『魔女』としての在り方を放棄し、[r]文明社会に埋没し、“人間”に落ちた『魔女』もいる。
[k]
落ちた『魔女』には畏敬も、[#憐:あわ]れみも与えられない。
[k]
たとえどれほどの魔術・神秘を有していようと、[r]彼女たちを人と認める魔術師はいない。
[k]
『醜い廃棄物』。それが現代までヒトとして[r]生き延びてしまった、魔女たちの末路だった。
[k]
[messageOff]
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[scene 107801]
[wt 1.0]
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[fadein black 1.0]
[wait fade]
@少年時代のベリル
なあ婆さん。[r]なんで『魔女』は人間と恋に落ちると死ぬんだ?
[k]
“母”を名乗る魔女に、[r]ベリルはそう質問した事がある。
[k]
ローブを羽織った、巨大なヒキガエルと見間違う[r]容貌の“母”は、
[k]
@垢溜まりの魔女
きひひひひひ。簡単さ。きひひひひひひひ!
[k]
@垢溜まりの魔女
血が混じるからだよ。[r]魂が腐るからだよ。
[k]
@垢溜まりの魔女
きひひ、きひひひひひひ![r]私たちは妖精だからね、コドモなんて産まないんだ!
[k]
@垢溜まりの魔女
私の娘は私なのさ![r]きひひ、きひひひひひ! きひひ……ひ……ひひ……
[k]
@垢溜まりの魔女
でも私はヘタクソで失敗した![r]失敗した、失敗した!
[k]
@垢溜まりの魔女
ああ、あああ、あああああああ![r]なんでこんな[#姿:コト]になったんだろうねぇ!
[k]
@垢溜まりの魔女
戻しておくれ、戻しておくれ![r]もとの私に戻しておくれ!
[k]
@垢溜まりの魔女
マインスターが恨めしい、あの小娘が恨めしい![r][#魔法使い:ユ  ミ  ナ]の直系は何をしたっていいのかい!?
[k]
@垢溜まりの魔女
私は失敗したのに! 私は[#騙:だま]されたのに![r]ああ、あんな男に出会わなければ!
[k]
@垢溜まりの魔女
人間と関わらなければ![r]おまえみたいなコドモを産まなくて済んだのに!
[k]
そこまで口にすると、[r]“母”はあわててベリルに謝った。
[k]
@垢溜まりの魔女
……失言だった……悪かったよ。[r]ごめんよ私のベリル。私の大切な愛しい子。
[k]
@少年時代のベリル
いいんだ、分かってるよ婆さん。[r]本心じゃないのは分かってる。
[k]
@少年時代のベリル
そんなに泣いてちゃ、星の瞳が台無しだぜ?[r]そこだけは、他の誰よりも綺麗なんだから。
[k]
@垢溜まりの魔女
ベリル……! ありがとう、ありがとうよ……!
[k]
@垢溜まりの魔女
おまえだけが私の味方だよ……[r]おまえだけが私の生き甲斐だよ……
[k]
ベリル・ガットは人間社会から隠れ住む“母”から、[r]様々な呪術を教わった。
[k]
陰湿な儀式。[r]生き物と生き物を掛け合わせる魔女の壺。
[k]
基本的に『命を材料にする』それらの術式が、[r]ベリルの人格にどのような影響を与えたかは定かではない。
[k]
獲物の追跡。自身の姿の隠匿。死に至る毒。[r]業の腫瘍化。苦痛の増加。不運の前借り。
[k]
ベリルは暗殺、拷問に適した魔術を好み、[r]“母”は喜んでベリルを鍛えた。
[k]
@ベリル
これで、もう教わってない魔術はない?[r]そうか。残念だよ、母さん。
[k]
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[wt 0.6]
ベリルは“母”の眼を潰し、森を後にした。
[k]
[messageOff]
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[wait fade]
[scene 80501]
[wt 1.0]
[fadein black 1.0]
[wait fade]
その後は自由に生きた。[r]殺し専門の魔術師として人生を謳歌した。
[k]
ただ、やりすぎて裏社会でも生きづらくなった。[r]次の居場所を探していた時、
[k]
カルデアの所長である[r]マリスビリー・アニムスフィアにスカウトされ、
[k]
南極のカルデア基地を第三の[#故郷:ホーム]にした。[r]そこで、
[k]
[messageOff]
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[scene 10410]
[wt 1.0]
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[wait fade]
目を疑うほどの、不細工な生き物を見た。
[k]
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@ベリル
おいおい、マジかよ。なんだありゃ。
[k]
@ベリル
カルデアは人理保障の人道的組織じゃないのか?[r][#ああいうの]もアリなのかよ、ドクター!
[k]
不細工、というのは造形の話ではない。[r]生き方、在り方が不細工だった。
[k]
完成していなかった。未熟児のままだった。[r]まるでバロットのようだ、とベリルは笑った。
[k]
その上で[line 3]
[k]
@ベリル
名前だ。[r]あの娘の名前はなんて言うんだ、ドクター。
[k]
@ベリル
あの娘は特別だ。[r]山ほど鑑定してきたオレが保証するよ。
[k]
@ベリル
今はどんなに未熟でも[line 3][r]将来、他の誰よりも綺麗になる。
[k]
“母”の教えの[#賜:たまもの]か、ベリル・ガットには[r]“花を育てる”才能と技術が[#具:そな]わっていた。
[k]
今は[#見窄:みすぼ]らしい姿でも、[r]10年後には美しい花になる。
[k]
そう確信したベリルは、花の成長を見守る事にした。[r]退屈な毎日が、それなりに楽しくなった。
[k]
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[scene 10000]
[wt 0.5]
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[wait fade]
@ベリル
とはいえだ。[r]実のところ、オレは芸術オンチでね。
[k]
@ベリル
新しい国に行けば、必ず美術館に足を運んだ。
[k]
@ベリル
誰からも評判のいい風景やら絵画やらを見てきたが、[r]特に感銘は受けなかった。
[k]
@ベリル
もちろん、よく出来ているのは分かった。[r]だがそれだけだ。
[k]
@ベリル
オレは[#美しいものが分からない]。[r]ずっと自分を、そういう生き物だと思っていた。
[k]
@ベリル
だが[line 3]
[k]
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[wt 1.2]
@ベリル
[line 3]恋に落ちたんだ、マシュ。[r]オレはやっと、自分ってものと向き合えた。
[k]
[messageOff]
[wt 1.2]
@ベリル
楽しいから、憎いから傷つけるんじゃない。
[k]
@ベリル
大切だから傷をつける。[r]愛しているから、愛するために傷をつける。
[k]
@ベリル
オレはそういう人間なんだ。
[k]
@ベリル
美しいものが損なわれた時だけ、[r]それが“美しいもの”だと実感できる。
[k]
@ベリル
おまえはオレが守ってやる。
[k]
@ベリル
誰からも。何からも。ドクターにも、[r]マリスビリーの好きにもさせない。
[k]
@ベリル
大令呪なんざ、おまえには刻ませない。[r]それをオレが始末屋になる条件にした。
[k]
@ベリル
……いいか、覚えておいてくれ。
[k]
@ベリル
おまえがいるかぎり、オレは死なない。[r]おまえがいる世界なら、オレは楽しい。
[k]
@ベリル
信じられないだろう?[r]オレだってそうさ。まったく信じられない。
[k]
@ベリル
この世の何よりも、[r]おまえが大切でたまらない、なんてな。
[k]
@ベリル
だから[line 3]
[k]
[messageOff]
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[wt 1.0]
@ベリル
……だから。いいよな、マシュ?[r]おまえの苦しむ姿が、どうしても見たいんだ。
[k]
[messageOff]
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[wt 2.0]
@医者
ベリル・ガット[line 3]
[k]
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[wt 1.2]
[se ad144]
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[wt 1.4]
ベリル・ガットは一時拘束され、[r]その施設に立ち入る手段を取り上げられた。
[k]
Aチームが初回レイシフト実験を行う運命の日から、[r]1年前の話である。
[k]
[messageOff]
[wt 1.0]
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[scene 119800]
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[charaTalk on]
@ベリル
[line 3]あれ。[r]おかしいな。
[k]
@ベリル
……なんでオレが殴られてるんだ、ドクター。[r]オレからまた、取り上げようっていうのか。
[k]
@ベリル
待ってくれ。そりゃあない。[r]まだ、実感できて、ないんだ。
[k]
@ベリル
おまえがいるっていうから、生き返るなんて、[r]クソ面倒な話にのったんだ。
[k]
@ベリル
オレは、おまえに会うために[line 3][r]会う、ために[line 3]
[k]
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[wt 1.0]
1……それ以上、近寄るなら……
2…………。
@マシュ
……いえ。どうかそのままで、マスター。[r]彼には、もう何もできません。
[k]
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[charaTalk on]
@ベリル
……そうだ……[r]……眼がいいな。眼が、とても綺麗だ。
[k]
@ベリル
……大切にしないとな……[r]……ふたつしかないんだ……大切、に……
[k]
@ベリル
……逃げなくていい。[r]……おまえは、オレが守って、やる……
[k]
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[wt 1.5]
@ベリル
[line 3]愛している。
[k]
@ベリル
[line 3]愛しているんだ、マシュ。
[k]
@ベリル
[line 3]心の底から。[r]おまえを愛しているんだ、マシュ。
[k]
[charaFadeout C 0.1]
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[charaTalk E]
[charaFace E 4]
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@マシュ
……そうですね。[r]それは本当の事でしょう。でも。
[k]
@マシュ
あなたの愛は、わたしには分かりません。
[k]
@マシュ
……たぶん。誰にも分からないんです、[r]ベリル・ガット。
[k]
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[wt 0.1]
[charaTalk C]
[charaFace C 1]
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@ベリル
[line 6]。
[k]
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