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"comment": "ふらりと立ち寄ったバーで、\n不思議な雰囲気の男と出会った。\n軽やかに、嘲笑するように、\n一仕事終えた後だと男は言った。\n\n「アンタ、美術商だろ 視線で分かるさ。\n 習慣的に、この店で一番美しいものを探してる」\n\n男は絵画に詳しかった。\n奇縁、と言っていいだろう。\nこの街の美術館にある、一枚の絵について語り合った。ティツィアー。天上の愛と地上の愛。\n\n「実のところ、オレは芸術オンチでね。\n 美しいものが分からない。\n 偉大なもの。整ったもの。尊いもの。\n よく出来ている事は分かるが、それだけだ。\n 世間様の言う“愛”ってヤツを感じない」\n\n美とは人に愛を与え、また、与えられるものを言う。\nその歓びを、充足を、男は持ち得なかったらしい。\n\n「美は過去形であるべきだ。\n 無くした時。損なった時に、それが自分にとって\n かけがえのないものだったと気づく。\n 称賛じゃなく哀悼だよ。もう戻らないからこそ、\n 何より美しいものになる」\n\n賛同は示せなかった。\nなぜなら、それは―――\n\n「ああ。その通りだ兄弟。\n 愛を感じるために傷をつけた瞬間、\n オレが愛したカタチは失われる。\n まったく無意味だ。救いも報いもない。\n なら、はじめから愛さなきゃいいって話さ」\n\n笑い話のように言って、男は席を立った。\n―――遠くで、死を連想させるような、救急車の音がしていた。",
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"comment": "美しき白銀の乙女が座っている。\n\n冷たい城で、ひとりきり。\n誰をも虜にする微笑みを浮かべ、\n誰をも惹きつける歌を口遊みながら。\n\n黄金色の威風を纏って。",
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"comment": "無垢の浄土で廻り続ける、不実なる夢。\n日常は砕け、\n醒めることを拒み続けた不器用な魔術師は佇む。\n\n最後の観客となったいま、\n出口に、背を預けて。",
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"comment": "神の家で弾かれる、慈愛の旋律。\n\n特筆すべき才能も、優れた技巧もなく、\n感情を表す熱もない演奏は―――\n\n天になお遠いその場所にあって、\n無人の荒野と、敬虔な祈りを思わせる。",
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