$03-00-02-01-1-0 [soundStopAll] [charaSet A 98001000 1 マシュ] [charaSet B 1098123200 1 ゴルドルフ] [charaSet C 1098123000 1 ムニエル] [charaSet D 1098124510 1 ダ・ヴィンチ] [charaSet F 9005001 1 ホームズ] [charaSet H 98115000 1 エフェクト用] [scene 10000] [fadein black 1.0] [wait fade] [se ad556] [seVolume ad556 0 0.1] [wt 0.8] [seVolume ad556 1.2 0.4] [wt 1.2] @ 疑似サーヴァント・ラスプーチン襲撃から2日後。 [k] @ 北欧[#異聞帯:ロストベルト]に向かう道程にて。 [k] [messageOff] [fadeout black 1.0] [wait fade] [scene 53800] [fadein black 1.0] [se ad173] [wait fade] [seStop ad173 1.0] [seVolume ad556 1.0 0.2] @ [line 3]白い。 [k] @ 地表は白紙になったのだという表現は、[r]あながち大袈裟でもないのだろう。 [k] @ 実際、真っ白だった。[r]消えてしまったのだ、何もかも。 [k] @ 自然も、文明も、そこに生きるモノたちさえ消え失せた。[r]削ぎ落とされたというのが正確なところか。 [k] @ 見えるのは白一色の[#まっさら]な地平ばかり。[r]その途中、例外とも言える地形を発見した。 [k] @ それは建物の跡のようだった。[r]熱で変形したのか、衝撃によって崩れたのか。 [k] @ ともあれ、異形と化してはいるが、[r]何らかの建造物である事は明白だ。 [k] @ その確認の為、[r][&彼:彼女]らはシャドウ・ボーダーの外に降りた。 [k] @ 大気成分は正常。呼吸可能。[r]超重量の完全気密服などを着込む必要はない。 [k] @ 『宇宙飛行士みたいにならないで良かったね』[r]天使のような笑顔でレオナルド・ダ・ヴィンチは言った。 [k] @マシュ ……先輩。前方、見えてきました。 [k] [messageOff] [fadeout black 1.0] [seStop ad556 1.0] [wait fade] [scene 53802] [fadein black 1.0] [wait fade] [wt 0.8] [bgm BGM_EVENT_79 0.1 0.8] @マシュ 接近しないと判別できなかったのは……[r]建物全体が、白色化しているためだったんですね。 [k] [bgm BGM_EVENT_79 1.0 0.6] @マシュ ……。[r]……。 [k] @マシュ ……建物、ですよね。 [k] @マシュ 生存者がいるようなら、すぐにボーダーで保護を[line 3] [k] @ 彼女の声が最後まで続かずに消えたのは、[r]目の前にあるものが想像以上のものだったからだろう。 [k] @ 無理もない。まっとうな人間であれば、[r]この風景を見た時点で“なぜ?”と息を呑む。 [k] @ すべて白く漂白されている。[r]消しゴムで消されたような不自然な欠落部分がある。 [k] @ それはさながら、砂丘のただ中に立つ[r]近代美術のモニュメントのようだった。 [k] @ 生命の痕跡は見られない。それは生き物の死骸……[r]死の跡さえない、という意味でもある。 [k] @ 廃墟でありながら清潔感があるのはその為だ。[r]とても我々の常識にある風景とは思えない。 [k] @ “まるで違う惑星のようだ”[r]モニターを見る誰もが、そんな感想を抱いただろう。 [k] @マシュ ……中に入りましょう。[r]何か、痕跡があるかもしれません。 [k] [messageOff] [fadeout black 1.0] [wait fade] [scene 10000] [wt 1.2] [fadein black 1.0] [wait fade] @ 地球は変化した。 [k] @ 白紙化地球[line 3][r][#生命のいない惑星]と成り果てたのだ、[#異聞帯:ロストベルト]を除いて。 [k] @ けれど白紙化の際、まれに『白紙化に取り残された』[r]地域、建物、生命が存在した。 [k] @ これをカルデアは『残留物』と呼称した。 [k] @ 今回の探索はその残留物とのファーストコンタクトだ。[r]白紙化した地表の上に取り残された建造物。 [k] @ 新所長は悲観的だったが、[r]多くのメンバーは生存者の可能性を無視しなかった。 [k] @ 結論として、生存者は発見できなかった。[r]だが成果はゼロではない。 [k] @ 確かに[#其処:そこ]には痕跡が残されていた。[r]白紙化を免れて残留した誰かが、確かに、いたのだ。 [k] @ 北欧[#異聞帯:ロストベルト]を前にした旧フィンランド域、[r]首都ヘルシンキ郊外であった筈の地点にて[line 3] [k] [messageOff] [fadeout black 0.1] [wait fade] [scene 60500] [fadein black 1.0] [wait fade] [se ade74] [wt 1.0] @ 室内には誰かの生きた跡が残っている。[seStop ade74 1.0] [k] @ 数日、数週間、或いは[r]数ヶ月を暮らしたのだろう住処の痕跡が。 [k] @ 空になったペットボトルや缶詰の数々。[r]何度も修理を試みたのであろう、通信機器の残骸。 [k] @ 幼年向けの人形らしきものも転がっている。[r]生存者の中には小さな子供もいた証だ。 [k] @ その上で、明確な意志として残されたものは[line 3] [k] @マシュ …………この、手帳によれば。 [k] @マシュ 数十時間前までは誰かがここにいたようです。[r]日付では、一昨日までの記録があります。 [k] @マシュ 生存者の数は、当初は6名。[r]でも、徐々に数を減らしてしまって[line 3] [k] @マシュ ……。[r]……。 [k] @マシュ 最後には、この手帳を書いた人もきっと。[r]……いったい、どこに消えてしまったんでしょう。 [k] @ 几帳面そうに[#綴:つづ]られた文字列は、[r]残念ながら意味不明だ。 [k] @ フィンランド語にせよスウェーデン語にせよ、[r][%1]には読めない。 [k] @マシュ 『世界は、どうしてこのような事になったのだろう。[r] あの空からの侵略者は、なぜ人類を憎むのだろう』 [k] @ 手帳の終わりにはそんな疑問が記されていた。[r]何故。何故。何故。 [k] @ 何故、と[#嘆:なげ]きながら人々は漂白された。[r]そこに意味を見いだそうとする事こそが罰のように。 [k] @マシュ ……時間です。[r]ボーダーに戻りましょう、マスター。 [k] @マシュ スウェーデンはもう目の前。[r]作戦に備えて充分な休憩をとってください。 [k] @ 『残留物』を後にする。[r]気になったのは、そう。 [k] @ 誰も彼もいなくなった廃墟には、[r]血痕も、暴力の跡も、いっさい見られなかった事だ。 [k] @ [line 3]じき、シャドウ・ボーダーは[r]第2の[#異聞帯:ロストベルト]に突入する。 [k] @ そこに待つものは生存を許さぬ地獄か、[r]それとも[line 3] [k] [messageOff] [fadeout black 1.0] [bgmStop BGM_EVENT_79 1.5] [wait fade] [scene 53801] [cameraMove 0.1 0,-50 1.2] [wt 0.1] [fadein black 1.0] [wait fade] [wt 0.5] [cameraMove 2.0 0,0 1.01] [wt 1.5] [fadeout black 1.0] [wait fade] [scene 51600] [fadein black 1.0] [wait fade] [bgm BGM_EVENT_82 0.1] [charaTalk A] [charaFace A 7] [charaFadein A 0.1 1] [wt 1.0] [charaFadeout A 0.1] [wt 0.1] [charaTalk F] [charaFace F 0] [charaFadein F 0.1 1] [wt 1.0] [charaFadeout F 0.1] [wt 0.1] [charaTalk B] [charaFace B 10] [charaFadein B 0.1 1] [wt 1.0] [charaFadeout B 0.1] [wt 0.5] ?1:あれが、外から見る“嵐の壁”[line 3] ?! [charaPut H 1] [charaEffect H bit_talk_10_LowLevel] [se ad13] [wt 0.3] [charaTalk D] [charaFace D 25] [charaFadein D 0.1 1] [wt 0.3] @ダ・ヴィンチ ああ。いよいよ本艦は北欧[#異聞帯:ロストベルト]に突入する。[r]ロシアのように『やむなし』ではなく、自発的に、だ。 [k] @ダ・ヴィンチ みんなも見た通り、こちらから空想樹は視認できている。[r]うっすらと光の柱として、だけどね。 [k] [messageOff] [fadeout black 0.5] [wait fade] [charaFadeout D 0.1] [wt 0.1] [charaPut H 1200,1200] [scene 53801] [wt 0.2] [fadein black 0.5] [wait fade] [wt 3.0] [fadeout black 0.5] [wait fade] [scene 51600] [charaTalk B] [charaFace B 10] [charaFadein B 0.1 1] [fadein black 0.5] [wait fade] @ゴルドルフ う、うむ。中の様子は分からないが、[r]やるべき事はハッキリしているな。 [k] @ゴルドルフ 我々の人類史とは[#異:こと]なった歴史を歩んだ[#異聞帯:ロストベルト]。[r]それがどのような[#人外魔境:じんがいまきょう]かは予測もつかないが、 [k] @ゴルドルフ なんであれ、あの『空想樹』とやらを切除すれば[r][#異聞帯:ロストベルト]は本来のものに戻り、嵐の壁もなくなる。 [k] [charaFadeout B 0.1] [wt 0.1] [charaPut H 1] [charaTalk D] [charaFace D 0] [charaFadein D 0.1 1] @ダ・ヴィンチ そうそう。[r]でも今回は『空想樹』の調査は後回しにしようね。 [k] @ダ・ヴィンチ 北欧を抜けて彷徨海に辿り着くのが最優先。[r]場合によっては北欧[#異聞帯:ロストベルト]は放っておいてもいい。 [k] [charaFace D 25] @ダ・ヴィンチ もしここを攻略する時が来るとすれば、[r]それは彷徨海で戦力を整えてからだ。 [k] [charaFace D 12] @ダ・ヴィンチ いつまでも[%1][&君:ちゃん]と[r]マシュだけに戦わせる訳にはいかないからね☆ [k] [charaFadeout D 0.1] [wt 0.1] [charaPut H 1200,1200] [charaTalk B] [charaFace B 0] [charaFadein B 0.1 1] @ゴルドルフ ふん。[r]あの通信が本当に彷徨海からのものであればいいがね。 [k] @ゴルドルフ で、ここからどうするのだ?[r]『嵐の壁』は突破できないという話だったが? [k] [charaFadeout B 0.1] [wt 0.1] [charaTalk F] [charaFace F 0] [charaFadein F 0.1 1] @ホームズ そこはボーダー本来の機能で突破します。 [k] @ホームズ あの嵐の幅は2キロほど。[r]その距離分だけ虚数潜航で移動するのですよ。 [k] [bgm BGM_EVENT_82 1.5 0.4] [charaFadeout F 0.1] [wt 0.1] [charaTalk B] [charaFace B 9] [charaFadein B 0.1 1] @ゴルドルフ え? 結局また潜るのかね?[r]あの魂の抜ける感覚、気持ち悪いよね? [k] @ゴルドルフ こう、第三者視点で自分の体を見下ろしていると[r]人生という名のボードゲームを連想しないかね? [k] ?1:全力で同意 @ゴルドルフ そうだよね? こんな事なら今朝のメニューは[r]控えめにしておくんだった! [k] ?2:耐えてください、Mr.ゴルドルフ @ゴルドルフ うそ、おまえさん平気なの?[r]自分の人生を[#俯瞰:ふかん]しても辛くないの? [k] ?! [charaFadeout B 0.1] [wt 0.1] [charaTalk C] [charaFace C 3] [charaFadein C 0.1 1] @ムニエル ったく、みんな気持ち悪いんだってば。[r]司令官なら耐えてくださいよ。 [k] [charaFace C 0] @ムニエル ちなみに俺は慣れましたけど。[r]あんなのレイシフトに比べれば怖くないっすよ。 [k] [charaFace C 1] @ムニエル (まあ、俺はレイシフトした事ないけどね!) [k] [charaFadeout C 0.1] [wt 0.1] [charaTalk B] [charaFace B 5] [charaFadein B 0.1 1] @ゴルドルフ ぬ、ムニエルの分際で大口を……![r]は、なーにがレイシフトだ! [k] @ゴルドルフ 私の新体制下で始まったゼロセイルの方が[r]何倍も凄いに決まっている! [k] [bgm BGM_EVENT_82 1.0 1.0] [charaFace B 6] @ゴルドルフ おいホームズ! ダ・ヴィンチ![r]準備に入れ、シャドウ・ボーダー、発進だ! [k] [charaFadeout B 0.1] [wt 0.1] [charaTalk F] [charaFace F 1] [charaFadein F 0.1 1] @ホームズ いい覇気です、ゴルドルフ司令官。[r]そう言っていただけると我々の士気も上がります。 [k] @ホームズ (そしてナイスだMr.ムニエル。[r] これで潜航中のトラブルの種が一つ減った!) [k] [charaFadeout F 0.1] [wt 0.1] [charaPut H 1] [wt 0.1] [charaTalk D] [charaFace D 7] [charaFadein D 0.1 1] @ダ・ヴィンチ はいはーい、それじゃみんな、[r]席について幽体離脱に備えてねー。 [k] [charaFace D 25] @ダ・ヴィンチ 今回の潜航は前回のように深くは潜らない。 [k] @ダ・ヴィンチ できるだけ現実の距離、時間と誤差のでないよう、[r]浅いところギリギリで航海する。 [k] @ダ・ヴィンチ 北欧には我々と繋がる[#縁:えん]がないからね。[r]本当に一瞬だけ、平面の世界に逃げ込むようなものさ。 [k] [charaFace D 24] @ダ・ヴィンチ 感覚的には息を止めている間だけ進む、[r]素潜りのようなものと思えばいい。 [k] [charaFace D 0] @ダ・ヴィンチ 準備はいいかな、[%1][&君:ちゃん]。[r]この後はまた、[#前人未踏:ぜんじんみとう]の世界だけど? [k] ?1:[line 3]はい、もちろん! ?2:第2航海、お願いします! ?! [charaFace D 26] @ダ・ヴィンチ [line 3]いいとも、了解した。[r]それじゃあ嵐の向こうに行くとしようか! [k] [charaFace D 25] @ダ・ヴィンチ [#虚数観測機:きょすうかんそくき]・ペーパームーン、展開![r]目的地、スウェーデン南部、ノルヒェーピング付近! [k] [messageOff] [charaFadeout D 0.1] [wt 0.1] [charaPut H 1200,1200] [scene 56001 1.5] [wt 0.5] [scene 56000 1.5] [se ad545] [wt 1.5] @ダ・ヴィンチ シャドウ・ボーダー外部装甲に論理術式展開。[r]実数空間における[#存在証明:ハーケン]、[#着脱:ハズレ]。 [k] @ダ・ヴィンチ 未来予測・二十秒後に境界面を仮説証明。[r]時空摩擦減圧、0.4秒間で緩和。 [k] [charaFace D 27] @ダ・ヴィンチ 発進工程、全て良し。[r]虚数海面、無風なれど[#波高し:いつものことさ]! [k] @ダ・ヴィンチ シャドウ・ボーダー、[#現実退去:ザイルカット]。[r]虚数潜航[line 3]ゼロセイル、敢行するよー! [k] [messageOff] [shake 0.05 0 5 1.5] [se ad14] [seVolume ad14 0 0.7] [wt 0.8] [seStop ad14 0.3] [se ade8] [seVolume ade8 0 0.7] [cameraMove 0.3 0,-20 1.01] [wt 0.4] [cameraMove 0.2 0,10 1.01] [se ad542] [seVolume ad542 0 0.5] [seStop ade8 1.5] [bgmStop BGM_EVENT_82 0.5] [wipeout rectangleStripDownToUp 0.3 1] [wait wipe] [cameraHome 0] [scene 10000] [wipein rectangleStripUpToDown 0.1 1] [wait wipe] [wt 1.5] [effect bit_talk_zero_sail2] [wt 0.5] [scene 10001] [wait effect bit_talk_zero_sail2] [fadeout white 1.5] [wait fade] [scene 10000] [fadein white 1.0] [wait fade] [messageOff] [fadeout black 1.0] [wait fade] [wt 0.5] [soundStopAll] [end]